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東野先生に学ぼう~Nice Quotes @『夜明けの街で』

東野先生に学ぼう~Nice Quotes @『夜明けの街で』_a0107674_1142243.jpg『夜明けの街で』 ――東野圭吾 

以前に呼んだレビューをUpしましたが(過去記事⇒コチラ
改めて読み返して、けっこうグッとくるQuotesが多くて、またまた復活です。

サスペンスやミステリー作品の多い“東野ワールド”から
チョットそれた、人間の欲望や不満、忍耐そして狡さ
といった、誰もが持っている本質的な部分を“不倫”という形で上手に描かれた本作。
経験のある人もない人も、賛否両論がハッキリ別れる作品ですね。
いいか悪いかなんて一言ではハッキリ片付けられないのが人間関係。
そんな複雑なところをつつかれた感じです。
主人公の気持ちの変化が上手に表現されてて
自分もその話の中にいるかのような感覚で物語は進みます。

東野先生に学ぼう~Nice Quotes @『夜明けの街で』_a0107674_11445791.jpg結婚して十数年、子供もいる。
何の不満もなく過ごしてきた主人公がちょっとした出会いから
恋愛=“不倫”をしてしまう。
冒頭フレーズはそんな彼の身勝手極まりない言い訳ですが、自分自身にそう言い聞かせてるような気がします

不倫をするやつなんてバカだと思ってた
ちょっとした出来心でつまみ食いをして、それが元でせっかく築き上げた家庭を壊してしまうなんて愚の骨頂だ
もちろん世の中には素敵な女性はたくさんいる
僕だって目移りしないわけじゃない 男なんだからそれは当然のことだ
でも目移りするのと、心まで奪われるのとはまるで違う
ところが僕は、そのセリフを自分に対して発しなければならなくなった
ただし、その言葉の後にこう続く
―――でも、どうしようもない時もある――― 




とうとう、妻以外の女性と一線を越えてしまった。自分の中の正直な気持ちを吐露する主人公。
みんな、こうなの??

越えてはいけない境界線を飛び越えてしまった
越える前にはその境界上には大きな壁が立っているのだと思ってた
だけど、越えてしまうと実はそこには何もなく、壁は自分が作り出した幻覚だったのだ
幻覚であろうと、壁が見えていたから境界を越えるなど想像もしなかったと言えるのだ
もはや“壁”が見えない僕は、今度こそ自分の意思だけで感情をコントロールしなければならない
この夜のことは、一時の気の迷い、と割り切ったとする
だけど本当にそれで済むだろうか?
境界線の向こう側に、眩暈がしそうなほど甘美な世界があると知っていて
これから永遠に踏み越えずにいられるだろうか??
境界線の上には壁などなく、ひょいと一跨ぎすればいいだけのことと知ってしまった今となってはそれは非現実な程不可能に思えた

会社の後輩の結婚式に参加したときに、妻とのことを振り返って考える。
彼女とも、恋愛して、彼女のことが好きで結婚したんだ。この人しかいないって思ったはずなんだ。
だけど、ほんとにそうだったのだろうか?? 
結婚”と“結婚式”は違う
“結婚式”は1日で終わるのだ 失敗したって笑い話で済む
でも結婚生活”はずっと続く 結婚を失敗するわけにはいかない

自分の長所をアピールしあうのが恋愛なら、短所をさらけ出しあうのが結婚
もう相手を失う心配がないから恋愛中みたいに、必死で相手を振り向かせようと努力する事もない
相手の[愛]を得るための努力があまりにもきついので、安心したくて結婚したのだ
安心を得る引き換えとして多くのものを失うことに、そのときは気づかなかった

他人の結婚式に出席した主人公は、自分の家庭をふと考えます
そう、 『標準的』  それが自分の人生だと感じる
昨日や今日と変わらない明日が必ず来ると信じている
劇的な変化、予想外の出来事など何一つ望んでない

そんな生活に僕は物足りなさを感じてるのかもしれない
変わらない平凡な毎日が大切だという事はわかっているのだが、
これから先の人生がいかに長いかを考える時、ふと目の前が暗くなってしまうのは否定できない
十年後も二十年後も同じように退屈な日々を送ることになるのかと思うと、大げさではなく恐怖さえ感じる

いつもと変わらない朝の風景、妻が娘に語りかけ、娘の近況を話すいつもの食卓
彼女に感謝をしつつも、何か満たされない気分の源は--??
僕は彼女に“女”の部分を求めているのだ  
彼女はいい母親  娘にとっても最高の母親
でも彼女はもう僕の“恋人”ではない  セックスしたい対象でもない
僕が一緒に暮らしている相手はかつて僕が愛した女性とは違う誰かなのだ
この世の多くの男たち、結婚している殆どの男は、僕と同様なのかもしれない
もう昔のような気持ちになることがないとわかっていながらも
一生そのままでいこうと決心している
それがおそらく、いい夫、いい父親になるという事なのだろう

彼女との関係が続くにつれて、親密さも増す。しかし、その分後ろめたさや自負の念にもかられ、アンバランスな自分の状況にもがく主人公
“彼女”が言った「苦労が長雨みたいに降ってきてもあなたと一緒なら耐えられる」
に感動を覚えつつも自分の内側にある何かがちくちくと刺してきた
その何かとは、《狡さ》なのだ

関係は続き、不自然な行動が増える。次第に主人公の中で[守り]に入ろうとするずる賢く卑劣な考えが生じ始めてきた。
その《狡さ》とは、 『現状維持』
---彼女を捨て、今までどおりの生活を送れる可能性を残したい

妻と娘は僕が帰らない日はないと信じている
そのことが僕を苦しませる  僕はいい夫、いい父親であり続けようとした
今となれば、そのこと事体も“罪”だったように思われた

このお話、結局は主人公は“彼女”と別れ、自分の元の生活に戻るのですが
男の結婚後も恋愛したいという自分勝手な欲望を上手に男性の視点から描かれていておもわず私も納得させられるフレーズがかなりありました。
まぁ、しかし、世間的にも、モラル的にもご法度はご法度
コレを呼んで「そうだそうだ~!恋愛は自由だ~」と思う人も「不倫なんてナンセンス!有り得ない!!」という人も一読の価値はあると思われる、興味深く、読み応えのある作品です。

最後のエピローグとして、主人公の友達が彼のことをつづったものが入ってるのですが
第三者側からの意見をリアルに辛辣についた、けっこう短いながらもよい部分がありました
渡部から“不倫”についての相談を持ちかけられた
馬鹿なヤツだ、そしてかなり本気らしい。その女と本気で結ばれたいなんてちょっとでも考えたら、とんでもないことになると説いた
もっともやつの気持ちは痛いほどよくわかる
【不倫は蜜の味】
それを1度舐めたら、なかなか手放せるものではない
しかし【蜜の味】を保つには条件がいる
それも無視したり、もっと甘い蜜を欲しがれば忽ち取り返しのつかないことになる
だからこうアドバイスし続ける
---不倫は不倫のままで終わるべきなのだ---
角川文庫 

――ちょっとブレイク――
東野先生に学ぶ、自分勝手でワガママ・自由を謳歌するオトコが見れる映画
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『Alfie/アルフィー』
極上の女性との出会いを求めてさまよう、プレイボーイ“アルフィー”の恋愛模様を描いたラブストーリー
原作は1963年のBill Naughton/ビル・ノートンの同名の舞台劇
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オリジナル版・映画は1966年(英)・主演はMichael Caine/マイケル・ケイン
――「The Cider House Rules/ サイダーハウス・ルール」(1999)
この演技でアカデミー賞助演男優賞
この映画すごくイイです。MyGreatsetsHitの1つ
「Batman Begins/バットマン ビギンズ」(2005)
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脚本は原作者のノートンが担当



リメイク版は2004年・主演はJude Law/ジュード・ロウ
1966年版の舞台が“ロンドン”だったのにたいして、
コチラは“ニューヨーク”が舞台
イギリスからニューヨークにやって来た、プレイボーイでリムジンの運転手をしながら、リッチな美女たちとの自由恋愛を楽しむ様はまさに彼のハマリ役!!
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この甘い微笑みにシエナでなくってもだれでもコロっと魅了されますね。
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この共演がきっかけでSienna Miller/シエナ・ミラーと婚約したけどもう別れちゃいました。
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by naonao10_20 | 2008-03-06 12:08 | MY FAVORITE

平凡な日常だけど小さな幸せいっぱい見つけたい。。筆不精克服ねらいます。


by ムサシは長生き